こんにちは
専門学校講師・パーソナルトレーナーの山本章人です。
スポーツ系・医療系専門学校で運動生理学や解剖学、スポーツ科学についての講義を行っています。
研究者ではなく、教員という観点で 分かりやすく使いやすい知識をコラムで書いていければ良いなと思っています。
前回は体を動かす際に使うエネルギーって何だろうという話でした。
今回は、その答えとなる『ATP』について少しお話をしてみようと思います。
ATPとは
「ATP」とは略語で、日本語では「アデノシン3リン酸」と言います。
英語でadenosine triphosphate(アデノシン・トリホスフェート)。
アデノシン + トリ(3つ) + ホスフェート(リン酸)
アデノシンに3つのリン酸が結合した物質という意味です。
もう少し細かくいうと
アデニン(塩基)にリボース(糖)が結合したアデノシンを基本構造にして
α・β・γという3つのリン酸基が結合した状態です。
αとβ・βとγのリン酸同士の結合のことを高エネルギーリン酸結合といい、結合が切れるときにエネルギーが放出されます。
つまりATPは、それ自体がエネルギーなのではなくエネルギーのやり取りをしたり貯めておくことができる物質、「エネルギーの通貨」もしくは「充電池のようなもの」と理解するとわかりやすくなります。
ATPのリン酸結合が切れてエネルギーを放出し、リン酸基が2つのADP
(adenosine diphosphate diは”2つ”)に分解される、そしてエネルギーを蓄えリン酸を結合しATPに再合成される。
これを繰り返し行っているのが人体のエネルギー生産の仕組みです。
それでは、分解されたADPはどのようにしてエネルギーを得てATPへと再合成されるのでしょうか。
そこのヒントは、皆さんが最も日常的に行っている行動にあります。
さて、なんでしょうか?
次回をお楽しみに。
(専門学校講師 山本章人)